二世帯住宅を建てる時に、分けるべきか悩むといえば、
- 玄関
- キッチン
- お風呂
この3つが代表的ですよね。これらを分けるかどうかは、二世帯同居のストレスに大きく関係してきます。

わたしは、玄関以外全て分けたおかげで、ノーストレスで過ごせています!
そこで今回は、二世帯住宅の玄関を「分ける場合」と「分けない場合」のメリット・デメリットを紹介しています。嫁の立場からみたリアルな比較となるので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ悩むのか?
二世帯住宅を建てるなら、
- 玄関ぐらいは一緒にしよう
- 玄関まで別の完全分離にしたい
あなたはどちらを思い浮かべるでしょうか?
私は「どちらの意見も分かるし、どちらが正解でもない」と思っています。
そう。正解がないから悩むわけですよね。
- 家族の考えかた
- 家族の相性
- 家族の生活スタイル
- 資金面
- 敷地面積
こんなことをトータルして考えなければいけないので、その家族によって正解は違ってきます。
あなたの家族にとって、玄関を分けることが正解か?分けない事が正解か?
それを見極めるために、まずは二世帯住宅の玄関について知ることから始めましょう。
玄関共有の場合

メリット
①子どもに大家族の良さを味わせることができる
玄関をひとつにして仕切りをつくらない事で、子どもたちは自由に親世帯へ行きやすくなります。
子どもにとって、「二世帯住宅」という大人の事情は知ったことではないですよね(笑)
そんな中、物理的に目に見える「玄関がふたつ」という仕切りがないことで、子どもに大家族で過ごしている感覚を味わせることができるのです。

我が家は、この大家族さを子どもに味合わせたかったことが、玄関共有の一番の理由です!
②コミュニケーションがとりやすい
玄関共有ということは、子どもだけではなく大人にとってもコミュニケーションがとりやすくなります。
まぁ、それが良くもあり、悪くもあり・・・なんですけどね(笑)
玄関を別にするよりも、コミュニケーション不足による誤解が生じづらくなります。
③宅急便を受け取ってもらえる
玄関が共有だと、子世帯が不在でも宅急便を受け取ってもらえるんですよね。
子世帯は、ネットでの買い物は日常茶飯事だけど、仕事で日中不在が多いですからね。
これは本当に助かります!

玄関共有の二世帯住宅に住んでから、不在票をほぼ見たことがないくらい助かっています♪
④玄関スペースを大きくとれる
玄関がふたつあると、その分玄関の面積が必要となります。
当然、玄関をひとつにすることで、分けた時よりも広い玄関をつくれます。
- 玄関スペースが大きいメリット
- ・玄関土間が広いことで解放感が得られる
・玄関収納が大きくとれ、三輪車・アウトドアグッズなど収納できる
・介護が必要になった時に便利
こんな感じに、玄関が大きく取れることにはメリットが沢山あります。
特に子世帯は、子どもの遊びグッズや部活道具・アウトドアグッズなど長期に渡って玄関収納が必要です。
広い玄関収納は絶対大活躍するので、玄関共有で玄関収納を多くすると便利ですよ!
⑥費用を抑えられる
一番現実的なメリットは、費用を抑えられるということです。
玄関ドアって20~40万と結構高いんですよね。
この出費をどうとらえるか?は個人の感覚となりますが、まぁ安くはないですよね・・・。
ただでさえ二世帯住宅は費用が掛かります。
その中で、玄関を共有することで大幅に出費を減らすことができるのです。
⑦外観で二世帯と分からない
玄関が二つあると、当然外観からして二世帯住宅なんだなってわかります。
まぁだから何?って話でもあるわけですが。。。
余計な詮索はされないかなと思います。

我が家の場合ですが、町内会では一世帯として登録されているようです。
玄関が分かれていたら、町内会費も町内の係も二世帯分だったのかなぁ?と密かに思っています。

デメリット
①外出時に気をつかう
玄関がひとつの場合、一階が親世帯が多いですよね。
当然玄関も一階にあるので、「親世帯」が「子世帯」の玄関の出入りを感じ取ることができるのです。
ということは、子世帯が玄関を使えばバレるわけです。
別にやましいことをしている訳ではないけれど、毎回出入りを義両親に把握されるって、意外とストレスで。
我が家は玄関共有なのですが、これは慣れないものです。
②間取りに気をつかう
子世帯は深夜帰宅率が高くなります。
子どもが成長すればなおさらですよね。
そのため親が寝ている時間に帰宅する場合は、こっそり帰ってこなければいけません。

でも二世帯住宅だって、深夜に気兼ねなく帰ってきたいですよね?
- 玄関の近くに寝室を作らない
- リビングが玄関の近くにならないようする
これが一番の対策なのですが、なかなか難しいからこそ、二世帯住宅の玄関共有は難しく感じてしまうのです。
【我が家の場合】
玄関のすぐ近くを親世帯の寝室としてしまいました。
だから、嫁である私が飲み会で深夜帰宅になると、そーっとそーっと玄関を開けないとなので大変です。
この不便さは玄関共有の二世帯住宅の主命です・・・。
③来客も共有
玄関がひとつでも、インターフォンを分ければいいよね?と思うかもしれません。
でも、現実には「玄関はひとつしかない」ので、来客を共有することになります。
- 自分が帰ってきたときにお義母さんのお客さんが玄関で話していて鉢合わせになった。
- 友だちが遊びにきても、玄関の靴でわかってしまう。
- 親世帯が不在の時、親世帯の来客対応をしないといけない。
- 自分が出かけたいときに、お義母さんの来客が玄関にいて外出しづらい
こんなことは日常茶飯事です。
玄関を分けないということは、来客も分けられないという覚悟はしておきましょう。
④子世帯or親世帯の玄関はないと思え
玄関はその家の顔ともいえる場所です。
玄関の飾りにこだわりがある人は要注意です。
理想のレイアウトに飾りつけ・・・なんて夢が膨らむかもしれませんが、玄関を共有する場合は、どちらか一方の趣味に合わせなければいけません。
テイストが違うものが玄関に入り乱れているのも嫌ですしね。
どっちの世帯が玄関のレイアウトの主導権を握るのか?
これは小さなことだけど、大きなことでもあります。
- 我が家の玄関のレイアウトは・・・
- ・完全に親世帯の趣味
・得体のしれない置物がたくさん置いてある(笑)
・義両親友達の手づくり品がたくさん
・嫁の私はこだわらないから、口も手も出していない
・その代わり、階段の二階部分に疑似玄関として、ニッチを設置した
こんな感じで、我が家の玄関は完全に親世帯が主導権を握っています。
玄関にこだわりがある場合、玄関の共有には覚悟が必要といえるでしょう。
玄関を分ける場合

メリット
①生活をしっかり分けられる
玄関をふたつに分ける最大のメリットはお互いのプライバシーを守れるということです。
玄関がふたつあることで、物理的にも感覚的にも「違う世帯」と認識しやすいですよね。
玄関の出入りにお互いが気を使わなくて済むのは、本当に気がラクなものです。
親世帯が過干渉なタイプなほど、玄関をふたつにするメリットは大きくなります。
②来客に気を使わない
玄関が別なら、友達や自分の親を呼びやすくなります。
自分が友達の家に呼ばれる立場だとしても、両親がいる玄関から入るのはちょっと気が引けちゃいますよね。
顔を合わせなくても、玄関共有はなんとなく来客に気を使ってしまうのです。

親世帯が不在中に、親世帯の来客がきても対応しなくて済むのは本当にラクです!
③将来、賃貸として使える
現実的なメリットといえば、将来賃貸として貸し出せるということです。
- 両親が他界したあと
- 折り合いがあわず、どちらかの世帯が引っ越したとき
どちらも、あまりいい話ではないですが現実に起こりうる出来事です。
そんな時に、玄関別の完全分離型の場合、貸し出すことができるわけです。
将来を見据えて、玄関を別にするか、将来リフォームで玄関が分けられる間取りにすると安心です。
デメリット
①コミュニケーション不足による行き違い
玄関が別なことでコミュニケーションを取らなくても済むというのは、一見良いような気もしますよね。
でも顔を合わせなくても、音や生活している雰囲気は感じ取れるわけです。
ということは、やはりお互い思うことが出てくるんですよね。
そのささいな負の感情が、コミュニケーション不足で大きな負の感情へ移行していきがちです。
そこに注意して適度な距離を保つようにしましょう。
②孫と祖父母の距離が遠くなる
玄関が一緒にくらべて、子どもにとって祖父母の距離が遠くなってしまいがちです。
内ドアを付けることで解消できる部分ではありますが、玄関が分かれていることで、子供にも「世帯が別」という認識が芽生えやすくなります。
玄関共有の「ただいまー」「おかえりー」のやり取りがあるかないかは、孫と祖父母の距離に良くも悪くも影響がでてくるものです。
二世帯住宅は完全に大人の都合です。
玄関が別だからこそ、ぜひ子どもには祖父母との関りを意識的に持たせてあげたいものですね。
(祖父母が難あり・・・なら話は別ですけどね)
③費用がかさむ
- 玄関ドア
- 土間
- 玄関の外のポーチ
玄関がふたつということは、これらもふたつ作らないとなので当然お金もかかります。
これを必要経費とみなすのか?は人それぞれですが、50万~100万と決して安くはない額です。
④面積が必要
玄関がふたつなので、当然必要な面積が増えてしまいます。
- 玄関をふたつにすることで・・・
- ・玄関が狭くなる
・玄関収納を大きく取れない
・リビングなど他の場所を狭くしないとなる
こんな感じに弊害が出てくることになります。
(広大な敷地と資金があれば別ですが・・・)
比較表
ここまで、それぞれのメリット・デメリットを紹介してきました。
それらを、簡単に比較表にまとめてみました。
| 玄関共有 | 玄関ふたつ |
---|---|---|
コミュニケーション | 良くも悪くもとれる | 意識してとるとよい |
孫と祖父母の距離 | 大家族感あり | 距離ができる |
不在時の宅急便 | 受け取ってもらえる | 不可 |
来客の共有 | 共有してしまう | しなくてよい |
不在世帯の来客対応 | 対応する必要あり | しなくてよい |
費用 | 単世帯と変わらず | 単純に2倍 |
使用面積 | 単世帯と変わらず | 単世帯より多い |
賃貸として利用 | 不可 | すぐ貸し出せる |
あなたの家族にあった玄関を選ぼう
ここまで、玄関共有と分けた場合を詳しく紹介してきました。
当然、どちらも良くも悪くもあるわけです。
- 大家族感を感じたい。玄関の費用・面積をおさえたければ、玄関共有。
- 世帯ごとに距離を置きたいなら、費用・面積がとられても、玄関ふたつ。
といった感じに、どのメリットを取るかで正解は変わってきます。
義両親が二世帯住宅の距離感がつかめないタイプの人なら、玄関別の方が絶対いいですしね。
逆に、義両親が良い人なら良いとこどりの玄関共有もいいでしょう。
ぜひ、今回の記事を参考に、自分たち家族にあった玄関のあり方を選んでみてくださいね。